QUAD ESL-57 研究 その七

何度ももったいをつけて済みません。
レストアする際の技術的な問題とは・・・ズバリ、フィルムのテンションの掛け方の問題です。
ユニットにフィルムを貼る際、長方向にテンションを掛けて貼り、装着する際に長方向に湾曲させますと、フイルムと電極の距離が近接、もしくは接触してしまう恐れがあります。 ということは、57では、短方向にのみ強くテンションを掛けてフィルムを貼るしかないのでは、と考えました。  この辺は、実際には、試行錯誤が必要なのかな、とも思います。
ちなみに、63系では長短両方向にテンションを掛けて貼っています。 また、動画サイトでMartinLoganの製造工程が見られます。 それで見る限り、CLS のような大きなパネルでは、小さなブロック(セグメント)に分割されてはいますが、長方向は機械で(強く?)、短方向は手で(適当に?)テンションを掛けているように見受けられます。

ユニットの状態について書く前に、載せ忘れた入力トランス関係の写真を載せます。 これがトランスの入ったケース上面で、本体に付いている状態です。



本体から外し、ひっくり返して下から見た状態です。 下左に入力端子があります。



トランス本体は蝋漬けされているようですので、トランスの仕様を確認するのは断念です。 蝋漬けされていることとか、ネットワーク用の抵抗の雰囲気とか・・・またまた STAX を連想してしまいます。

ユニットに戻りまして・・・
これは中高域ユニットです。 エレメントが三つですので、F・R信号×3で線が六本。 高圧の線が一本、合計七本の線が出ています。



前後とも木枠で囲まれていて、手工業的というか、町工場的というか、何とも不思議な感じです。 STAXもそうなのですが、この時期のものは、研究を重ねた末の仕様のマス・プロダクションというよりは一個一個の手作り感満載です。

さて、これをどう料理しましょうか・・・・・

              づづく・・・
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